5Gケーススタディ
5Gサービス開始に向け策定されたITU-T G.8273.2 Class-C / D準拠のBoundary Clock(BC)などの拡張されたタイミング要求に対し、装置開発や検証/製造を担当するネットワーク機器ベンダー(NEMs)は、その高精度な性能検証が課題となっております。NEMsは、この5Gトランスポート機器の精度性能課題をどう解決出来るでしょうか。
多くの通信事業者は、加入者へのサービス提供に向け、NEMsに対して同期精度レベル/データ伝送速度に関する一連のPoC実施要求をしています。
同期精度の目標は?
5G向けのITU-T標準化は、前世代を上回る同期精度レベルを要求しており、新しい伝送要件を満たすための時刻/位相を提供することを目的としています。5Gネットワークにおいて、分散型スモールセル / 無線基地局(RU)は、トラフィックキャパシティと密度レベルを実現するために、非常に多くの基地局の導入が見込まれております。 一例として、Co-ordinated Multipoint(CoMP)やInter-site Carrier Aggregation(CA)など高レートデータ伝送を実現するために、協調的な無線技術が導入されることが予想されております。これらの技術では、スモールセルやRU間の協調、非常に高精度な同期が求められ、条件によってはTE/130ナノ秒以内の同期精度要求となります。
クロック仕様は?
高レベルな同期精度を実現するためには、フル・タイミング・サポート方式が使用されます。これは、同期経路にある全スイッチ/ルータでPTP及びSyncEをサポートする方式です。エンドノードでの同期精度を改善するため新クロック仕様も策定されました。例えば、ITU-T G.8273.2では、クラスC/クラスDのバウンダリークロック(BC)が追加され、G.8262.1では、Enhanced EEC仕様が追加されました。さらに、Enhanced PRTC仕様(G.8272.1)と、PRTC-B仕様(G.8272)も定義されております。これらの新たな標準化に加え、関連するネットワーク・リミットの規定もあります。
NEMsはどのように性能保証可能でしょうか。それは高精度同期測定により可能となります。
Paragon-neoによる最大100GbEラインレートでの高精度同期PTP/SyncE試験を実施することで、通信事業者によるPoCや商用展開前に、NEMsが開発した機器に対する信頼をもたらします。
Paragon-neoを使用した以下の検証が可能です。
標準/ユーザー定義プロファイルへのPTP適合の分析(自動合否判定およびレポート生成)。
ITU-T G.8262.1 / G.8262検証向けSyncEワンダー/ジッターの生成、SyncEワンダーとPTPタイムエラーの同時測定、ITU-T G.8624を評価するためのESMCメッセージ生成・制御。
PTP測定精度と再現性を最大化するためのPTPマスタークロックおよびスレーブクロックのエミュレーション、様々なDUTに対する特有評価モードまたはITU-T規格準拠の自動試験。 高精度の同期評価を実行することで性能リスクを軽減し、NEMsが開発する次世代機器が次世代同期精度を有している信頼を提供します。