OTAによる5G同期性能測定の課題

モバイルネットワーク:チュートリアル

5Gのネットワークは、同期に新たな課題をもたらします。 絶え間ない接続に対する要求がスモールセルの展開を促進し、これがネットワーク精度の向上と相まって、ネットワーク全体で正確な同期をテストすることの重要性はますます高まっています。 ただし、スモールセルの問題は、物理的なタイミング出力(1pps)を持たない傾向があるため、スモールセルのタイミングパフォーマンスをどのようにテストするかということです。フェムトセル、ピコセル、マクロセルのいずれであっても、テストは不可能に思えます。 さらに、無線インターフェイスとなるネットワーク出力には、1.5µ秒のITU-Tタイミング要件がありますが、5Gの場合、ネットワークの特定セグメントで高精度な同期精度が求められます。

スモールセルは、自宅、ショッピングモール、スポーツアリーナ、公共スペースなど多くの環境での展開が想定されており、導入される各スペース/環境に応じて異なる特性を持ちます。

一部の4G/5Gアプリケーションでは、スモールセル・クラスターで技術活用が見込まれるセル間干渉制御(eICIC)では、相互的に時間情報の共有が必要となります。時刻同期していないスモールセルの場合、この1つの「不良」スモールセルは「不正」として見なされ、アプリケーション内の他のセルに対して相互的に干渉し、他のすべてのスモールセルのタイミングに影響を与えます。

そのため、ネットワークの特定部分における時間/位相を測定する現在の同期検証方法には課題があります。 Calnex社フィールド同期測定器Sentinelに搭載されているOver-the-Air(OTA)は、通信事業者のネットワーク出力部(アンテナ/無線インターフェース)でネットワークのタイム・エラー(TE)性能を測定する機能を提供します。つまり、OTA測定機能は、基地局アンテナ出力部でのみ実施可能なITU-T標準化のネットワーク要件(1.5µ秒)の測定を実現します。また、スモールセルでは、物理的なTE測定ポート(1PPS出力)がなく、OTA測定機能が、スモールセル導入に向けた唯一のオプションと考えております。